考え方・価値観

ミライオヤツのマーク「d−リモネン」

ロゴマークの由来

ミライオヤツのロゴマークは、柑橘成分である「リモネン」の構造式です。私は子ども頃から絵を描くのが得意で、パティシエになってからもオーダーに合わせてオリジナルケーキやデザートの提案、手書きのイラストメニューを作ることに活かしてきました。このロゴマークも原案は自分でラフデザインし、完成しました。

ミライオヤツは工房のみで実店舗はありません。お店作りのあれこれは、デジタルの世界のデザインです。デザインとは「目的を達成すること」。ミライオヤツの目的は「おいしいだけじゃない。機能美を伴った未来のオヤツをつくること」。そのために必要不可欠なのが、香りです。

有効性のある柑橘の香りを可視化する

香りは嗅覚を通して交感神経を刺激します。すると脳の血管が拡張され、脳への血流(栄養)が増加します。特に柑橘系の香りには覚醒効果があるといわれていて,集中力の向上や活力低下の防止,疲労回復などの効果が期待できます。鳥取大学の2005年の研究論文では、アルツハイマー患者に対するアロマセラピーの有用性として、柑橘の香りを使った検証がされました。

ミライオヤツでは、柑橘の香りをメインに使うことで、「食べてもらう人の目的を達成する」機能を持ちたいと思いました。柑橘の香りを可視化するもの……そうして興味は成分表へと進んでいったのです。

自分の過去に答えがある

柑橘の精油成分にはD−リモネン、α-ピネン、β-ピネン、リナロールなどが含まれています。その中で一番多く芳香して香料の原料ともなるのが、リモネンです。化学式はC10H16 。単環式モノテルペン炭化水素です。今回はより可視化された構造式を採用しました。

構造式というのは、原子の結合の様子を価標(つなぎの棒)を用いて表した式です。学生時代、化学式なんて社会人になったら使わないよと思っていました。でもパティシエになってから、ベーキングパウダーや重曹入れるとケーキが膨ら理由を中学2年生で習った化学式で説明できたとき、何でも役に立つものだなと思ったものです。

将来は、より洗練されたロゴマークをデザイナーさんに依頼する日が来るかもしれません。でも今は、手作りで進んでいくお店作りに楽しさを感じています。

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